今年はお盆時に大型台風というニュースが飛び込みましたが、皆様大丈夫でしたでしょうか。

 

さて、今回ご紹介するのは長年リビングダイニングの収納にお困りのお客様のご依頼でお作りした収納をご紹介します。

本屋さんやコンビニで雑誌コーナーでふと立ち止まると、「収納」は必ず見かけるキーワードの一つです。
最近の住宅は随分に「収納」を考えたスペースが作られていますが、実際に生活をしているとその収納スペースだけでは足りなくなってきてしまう…なんてことありますよね。

とりわけ最近の住宅では生活の拠点として広いスペースを取るリビングダイニングは、知らず知らずのうちに物が溜まりがち。
一旦片付けてしまうと使わなくなるので、すぐ使うと思ってそのままにしているとどんどん増殖していくというルーチンあるある状態…

そんな生活の拠点のリビングスペースの「収納」の問題を抱えていたK様。ご自身でもいろいろ考えていらしたのですが、トータルとしてお家の間取りや生活スタイルに合わせて収納を考えたいとのご希望でした。

まずお悩みとその現場を知るために、お家に直接お伺いしてお話をさせていただきました。お店でお話を伺うことで分かることもありますが、やはり現場を見てお話をお聞きすることで、より具体的に明確にお客様のお悩みを理解することにつながります。
今回はそのように現場でお話をお伺いした後、収納を検討できる箇所をピックアップし、その箇所ごとの収納案をご提案させていただきました。

そして最終的にお作りすることになったのが、ダイニングテーブル後ろ側の壁面にデスクとシェルフが一体となったデスクシェルフ、カウンター下にダイニングテーブルに横付けにするチェストの2点の収納です。
こちら2点の収納は、全て当店オリジナルのパイン無垢収納システムのENTREアントレでお作りしています。


(*お納めする前に実際の動線などの確認のために、お客様宅のスペースサイズに合わせてお店で仮セッティングをしたものです。ダイニングチェアはお客様のお持ちのものを使用するので、仮にお店のチェアを入れてチェックします。ダイニングテーブルもご購入のものはALLオーク材のものですが、こちらの画像のものは天板は白い塗装をかけたものです。)

今回、シュクレ浜松の伸張式のダイニングテーブルを大変気に入られて、今回の収納を整える際に買い替えをご希望ということで、この伸張式ダイニングテーブルをメインにその周りの収納を整えさせていただくことになりました。

急な来客が来た時やお鍋や大皿などダイニングテーブル上を広く使いたい時は、こちらの伸長式のダイニングテーブルを取り入れることでより快適になります。

こちらのダイニングテーブルは以前ブログでもご紹介させていただいておりますので、よろしかったらご覧ください。
コチラ→「4人掛けから8人掛けに変化する、シュクレの天然木ダイニングテーブル」

 

まず、キャビネットの方から見ていきましょう。
今回キッチンカウンターの下に置くという収納のうえ、ダイニングテーブルの短い辺に横付けで置くという設定のため、まず全体の高さをダイニングテーブルの天板の高さH730に合わせることにしました。

そしてお客様からの一番のご要望であるA4サイズの収納ができるというで、上段、下段ともにA4サイズ収納ができるサイズにしました。

W1830 H730 D320
大きく3つの部分に分かれています。
左部分はA4の高さ以上のものを収納したい時のために可動棚をつけてあります。
中央部分は、隣に置くダイニングテーブルの奥行きに合わせた幅に。
入口に近いので目につきやすい右側部分は引き扉をつけられるようにしました。この引き扉は両面で使用でき、片面を本体と同じオーク色、そしてもう片面はカーテンと同じ黄色系の色に。上下の棚は同じ高さなので、上の棚でも下の棚でもどちらでも使用できるようになっています。

こちらのキャビネットは備え付けのカウンターの下に設置することになっていて、カウンターより24cmほど出てしまうのですが、A4の収納というのがお客様にとっては大事な点でしたので、天板の両端を少しRを取って丸くしたりと細かいところまで少し注意して設計させていただきました。

 

次にご紹介するのはダイニングテーブル奥の壁面に設置するデスクシェルフです。

生活の中で食事をするだけでなく、奥様がノートブックで作業をされたり、小さいお子さんも宿題などいろいろな用途でダイニングテーブルを使用されていらっしゃるとのこと。お子さんの勉強や奥様の事務作業などは、遠くに収納があっても、毎回テーブルに持ってきて片付けをするというのは、はっきり言って少し面倒ですし、食事時と重なった時などを考えるとあまり効率がよくありません。

ちょうど空いていたダイニングテーブル後ろの壁面が部屋の角になり背の高い家具を置いても圧迫感は少ないだろうということで、デスクシェルフを置くことを決めました。

右側に壁があるということで、右側が変則のオープンの造りになっています。

ENTREで使用するパイン無垢の幅はぎ材は基本では厚さ19mmですが、デスクの天板部分は耐久性なども考慮して25mmの厚さのものに。そして、その天板は「坊主面」という中心から丸く削り、横からみた切断面がカマボコの形になるように丸く加工しました。

ダイニングテーブルで使用するベンチを使用しますので、天板の高さもダイニングテーブルに合わせてH730に。

天板にはちょうどデスク下部にあるコンセントから電源を取るために通線用の孔を空けてあります。

左部分は、デスク上で使用していたノートブックや作業中の宿題などをささっと仕舞えるようように、天板の下にオープンの棚を付け、さらにその下には足元ですので邪魔にならないように奥行20cmにした可動棚を付け、すぐに使用しない資料や教材などを置いておけるようにと考えました。

右部分はA4が収納できるオープンのスペース、その下にA4が収納できるキャスター付きボックスをつけました。一般的なデスクですと引き出しなのですが、キャスター付きボックスは移動が可能ですので、明るい場所で整理整頓をしたりできますのでとっても便利です。奥まった場所の引き出しは仕舞いっぱなしの原因にもなりますので、今回のようなスペースではキャスター付ボックスの方が良いかと思ってご提案させていただいています。

デスク上のシェルフ部分の収納もA4収納を基本に考えています。

最上部は、お伺いした時にお部屋にたくさんご家族の写真やお子さんの書いた絵などが飾られておりましたので、「見せる収納」を意識したデザインにさせていただきました。

サイズはW1107 H1717(デスク天板の高さがH730)シェルフ上部の奥行がD300、デスク部分はD410です。

全体の長さは左側は窓がありカーテンが掛かっていますのでそのカーテンに合わせ、全体の高さはH1800のところに換気口が付いていましたのでその高さまでに納まるようにデザインさせていただきました

キャビネットもデスクシェルフも全体が固定の設計ではなく、当店オリジナル収納システムENTREアントレのパーツオーダーで組み立てるシステムですので、将来的な拡張や縮小などのデザイン変更、また修理のためにはパーツで対応するなどの可能性をもっています。

実際にご納品したのがこちらの写真となります。
上記の仮セッティングの写真では、デスクシェルフにチェアを付けてありますが、実際にはチェアでは見た目もごちゃごちゃするし、ベンチの方が…ということで、ダイニングテーブルと同じオーク材のベンチをご購入いただきました。小さいお子さんがいらっしゃる時にはお母様が隣に一緒になって宿題をしたり、ちょっとした荷物も置けますからとても便利だと思います。

収納本体はパインの無垢巾はぎ材にオスモカラーのオーク色のオイル塗装、ダイニングテーブルとベンチはオーク材です。

既成の家具と違い、お部屋の状況、お客様の現在の状況から将来への展望などかなり細かい点も考慮しての制作になりましたので、始めてお宅に伺ってからご納品まで少しお時間がかかることになってしまいました。

また材料の質や細かいオーダーということで、既成のものとは違い少しお値段も上がってはしまうのですが、お客様だけのオリジナル家具ということでご満足いただけたようです。

今回のように収納にお困りの方、トータルでのお部屋と家具のご相談も承っておりますので、何かありましたらお気軽にご相談いただければと思います。