春の陽ざしが心地よく、木々の新芽も日に日に鮮やかさを増してきましたね。お部屋の中にも、季節の変化を少し取り入れてみたくなります。
さて、今回ご紹介するのは、長年愛用されていた「座卓のリメイク」についてです。
ご依頼いただいたのは、重厚感のあるブビンガ材の無垢材で作られた一枚板の座卓です。
ご自宅を新築した際に、ご親族からお祝いとしていただいたそうです。
存在感のあるこちらの座卓ですが、その立派さゆえに少々扱いづらい一面もおありとのことでした。
たしかにサイズは幅1500×奥行き900×高さ350と大きく、重さも相当なもので、気軽に動かすことはできません。
加えて、天板の両サイドの“耳”の部分が出っ張っており、周囲を歩いた際、足をぶつけてしまうことも多く、日常の中で小さなストレスを感じておられたそうです。
和室が主な居場所だったこの座卓も、住まいのスタイルが変わる中で、だんだんと出番が少なくなっていきました。
そんな背景の中「思い出はそのままに、今の暮らしにもっと馴染むかたちで使い続けたい」というご希望を受けて、今回のリメイクがスタートしました。
今回目指したのは、ソファ前に置けるサイズのセンターテーブルへのリメイク。
現代のライフスタイルに馴染むサイズ感と使い勝手を実現しつつ、木そのものが持つ魅力や、思い出をしっかりと残すことを意識しました。
まず取りかかったのは、全体のサイズ調整です。
元の1500×900という天板を、1200×600へと一回り小さくし、スペースに余裕をもたせながらも十分な広さを確保しました。
どこでカットするかが非常に重要なポイントになりますが、今回はお客さまから「中央の年輪が見える、木目の良いところは残したい」とのご要望がありました。
そのご希望に沿うかたちで、木目の最も美しく、印象的な中心部分をに残すよう、慎重にカット位置を決めていきました。
テーブルの高さは、350から400へと少し高めに調整し、ソファに座ったままでも使いやすい絶妙なバランスに仕上げています。
新しく制作した脚には、切り落とした天板の両端の端材を再利用。
もともとの座卓は脚が太く、和風のどっしりとした印象がありましたが、今回はすっきりとしたシンプルなデザインに仕上げ、全体のバランスも軽やかに整えています。
さらに、脚は取り外しができるようにし、持ち運びや収納のしやすさにも配慮しました。
こうした機能性の向上も、リメイクならではの工夫の一つです。
また、仕上げの塗装については、もともとは厚めのポリ塗装が施されており、光沢がありながらも、ところどころに細かい傷が見られました。全体の状態は良好でしたので、薄く研磨して、セラウッド塗装で塗装しています。
セラウッド塗装は、耐久性に優れ、暮らしの中で安心してお使いいただける塗装です。ナチュラルな仕上がりが、素材の美しさをより引き立ててくれています。
仕上がったセンターテーブルがこちら!
木目の良い部分はそのままに、ほんの少し手を加えることで、新しく生まれ変わりました。
今回のブビンガ材の座卓のように、どっしりとした佇まいの和風座卓は、昭和の時代には多くの家庭で愛用されてきました。
しかし、現代の暮らしにおいては、その大きさや重さを少し持て余してしまうこともあるかもしれません。
もし、お手持ちの座卓の扱いに困っている方がいらっしゃいましたら、今回のリメイクのように、形を変えて新たな価値を与えるという選択肢もございますので、ぜひお気軽にご相談ください。
長年連れ添った家具には、思い出がたくさん詰まっているはずです。
そのぬくもりを残しつつ、今の暮らしにあった使いやすい家具へと生まれ変わらせるお手伝いができれば、私たちも大変嬉しく思います。
※シュクレ浜松の情報は、インスタグラムとフェイスブックでも配信しています。
→【シュクレ浜松 Instagram】