季節の変わり目、住まいに手を入れる機会があると、これまで何気なく使ってきた家具にも、ふと目が向くものです。

今回は、ダイニングテーブルとチェア4脚の修理事例をご紹介します。約40年前に購入された、デンマーク製のチーク材のダイニングセットです。

長い年月をともに過ごしてきた家具ですが、どこか凛とした佇まいがあり、大切に使われてきたことが伝わってきました。

ダイニングテーブルは伸長式。普段は幅1600mmほどで使用され、広げると2200mmほどになるつくりです。

これまでは伸長せずに使われており、拡張用の天板は本体に収めず、別の場所で保管されていました。

今回、キッチンのリフォームをきっかけに「広げて使いたい」とのご相談をいただきました。

実際に拝見すると、長年使われていた天板と、外して保管されていた拡張板とでは、日焼けや経年変化により色味に差が出ていました。

また、保管されていた板には反りがあり、そのままではうまくはまらない状態でした。

修理の途中で、色味についてご相談させていただいたところ、「チークそのものの色を大切にしたい」とのご希望をいただきました。

そのため、着色は行わず、木の表情をそのまま生かすかたちでセラウッド塗装にて仕上げています。

また、伸長部分については、しっかりと調整することで今度はスムーズに収納できなくなる可能性もあることを事前にお伝えしました。それでも問題ないとのご了承をいただき、慎重に修理を進めました。

結果としては、職人が細かな調整を重ねたことで、伸長・収納ともに支障なくお使いいただける状態に整えることができました。


▲ダイニングテーブルの裏側

ダイニングチェアについても拝見すると、40年お使いとは思えないほど良い状態でした。子育ての時間もともにしてきたはずですが、日々丁寧に使われてきたことが伝わってきます。

座面の革はしっかりとしていたため張り替えは行わず、肘掛けの傷や背面の色あせを中心に、削り直しとセラウッド塗装で整えました。

木部の風合いを損なわないようにしながら、全体の印象を引き締めています。

今回のダイニングセットに使われているチーク材は、現在では非常に貴重な木材のひとつです。油分を多く含み、水や汚れにも強く、耐久性に優れているため、古くから高級家具や船舶にも使われてきました。

年月を重ねることで色味が深まり、独特の落ち着いた艶が出てくるのも大きな魅力です。

現在では良質なチーク材の流通は限られており、こうした時代の家具は、素材そのものにも価値があります。

お客さまご自身がその価値をよく理解され、「このままの風合いを生かしたい」とおっしゃっていたことが、とても印象的でした。

家具は、ただ使うものではなく、時間を重ねていくもの。手を入れながら使い続けることで、その価値はより深まっていきます。

新しく家具を迎えることも、今ある家具を整えることも、どちらも暮らしを豊かにする選択のひとつです。

長く使われてきた家具の修理やメンテナンスについても、どうぞお気軽にご相談ください。

 

※シュクレ浜松の情報は、インスタグラムとフェイスブックでも配信しています。
【シュクレ浜松 Instagram】

【シュクレ浜松 FACEBOOK】