今年の春、国立近代美術館で開催されていた「マルセル・ブロイヤーの家具 Improvement for good」展を見に行きました。
マルセル・ブロイヤーの家具と聞いて、「あ〜あれか。」と頭に浮かべられる方もいらっしゃるでしょう。反対に「誰それ?」という方もいらっしゃると思います。
もしかしたら写真のおじさんの座っている写真で、「どこかで見たことある椅子かも」という方もいらっしゃるかもしれません。
マルセル・ブロイヤー Marcel Brauer (1902-1982)
バウハウス出身の家具デザイナー・建築家のマルセルブロイヤーによる「ワシリーチェア」
ワシリーとはこのチェアが画家ワシリー・カンディンスキーのために作られたことによる
以前フランスのArteという放送局の放映で、この「ワシリーチェア」の開発ドキュメンタリー番組を見たことがあります。家具といえば「木製」というそれまでの流れに、金属製パイプを曲げて本体を作るという挑戦がとても強く印象に残りました。
また昨年、「オランダのモダン・デザイン リートフェルト/ブルーナ/ADO」展で、あの赤と黒の誰が見ても“リートフェルトだ〜”と分かるチェアなどを見てきました。
ヘリット・トーマス・リートフェルト(Gerrit Thomas Rietveld 1888-1964)
20世紀オランダを代表する家具職人であり建築家
上記のブロイヤーやリートフェルトをはじめ、イームズやウェグナーなど最近「デザイナーズ家具」という言葉をよく見かけるようになりました。ご存知だったり聞いたことがあるという方も多いのではないでしょうか。
日本の場合、家具の歴史やそれを取り囲む文化背景の違いから「デザイン」に関する評価や感覚が違うと思いますが、上記の海外のデザイナーたちのように日本の家具デザイナーも随分表面に出てきたように思います。
例えばシュクレ浜松でも大変人気のあるこちらのシリーズ↓
「salvia」シリーズ
LIVING BOARD +SET UP SHELF
「cresson」シリーズ
TV board
「Thyme」シリーズ
Chest
こちらのシリーズは、村澤一晃(Murasawa Kazuteru)さんというデザイナーさんのシリーズです。
こちらのシリーズはとりわけ日本のメーカーさんと職人さん、デザイナーととても良いコンビで開発されていますので、西洋デザイナーの家具と違って、日本の家具の上質な造りを持ちながら洗練されたデザインで統一されているところが魅力です。
家具は日常で使う道具の面もありますので、日本の暮らしに合っているということも使う視点からは大事なことでもあります。
全ての家具ではありませんが、デザイナーさんをはっきりと表に打ち出している家具もありますので、
「もしかしてあのデザイナーさんの家具?」
「このデザイナーさんって、いつもここの部分に特徴があるね」
「このデザイナーさんの家具で部屋をコーディネートしてみたいな。」
なんて視点で家具を見ていくのも面白いかなと思います。
家具の見方、選び方はお客様それぞれです。
どうぞご自分の見方、選び方をお楽しみいただければと思います。
今回は〜デザイナー視点〜なんておおげさなタイトルをつけちゃいましたが、また機会があったら他の視点についてもお伝えしてみたいなと思います。