日に日に日が短くなってきてますね。
今夏はご自宅で、お庭で過ごす方も多かったのではないでしょうか。
さて、今回ご紹介させていただくのは、夏に出番の多いガーデンファニチャーの修理・修復の事例です。
屋外で雨風にさらされてしまうガーデンファニチャーは基本的に水に強い木材や塗装が施されていますが、長い年月を経ると劣化して塗装の剥がれたところから水分が入り込んだり、カビや苔が付いてしまったりして最終的には処分することになることも多いかと思います。
今回のご要望は、海外在住時に購入した思い出のある家具ということで、なんとか修理を施して再生できないかということでした。
実際にお伺いして実物を拝見させていただいたものがこちらです。
長年雨風に晒され、すでに塗装は剥がれてしまいカビが付着しているところも多いようでした。
またところどころ腐食してぼろぼろになっている箇所もありました。
このように腐食している場合、パーツを新しく作り直すことになります。
修理の過程ですが、全体の汚れを剥離し、腐食部分などの修理・修復を施して全体を綺麗にした上で塗装をかけるというのが大まかな流れです。
材料が腐食等で弱くなっているため、剥離には注意が必要です。
削りすぎで構造に問題が出てくることもありますし、その場合はどのように補強を施すかということも考慮しなければなりません。
材料のチーク材は東南アジア船舶の材料にもなるように水に強く、材質は固く伸縮率が小さい材料です。病害虫に強く、天然の油成分があるのですが、今回のものはすでに油成分が抜けきっていて、オイルを弾くことなくどんどん入ってしまい、またルーバーデザインで塗装する面が多く、ニュースになるほどの浜松の暑い気温の中での作業はなかなか大変なものでした。
まず剥離した状態がこちらになります。
四角の天板の小テーブルから。
ルーパーの天板ですが、細かいところまで綺麗になりました。
綺麗になりましたが、カサカサの木の状態です。
直径120cmぐらいの大きな六角形の大テーブル。
脚を外して天板のみの状態。こちらの天板は3つに折りたためるようになっています。
そして、こちらがチェア。詳しくは2タイプのデザインがあり、どちらも折り畳めるようになってます。
ルーバーのパーツと桟が組み合わせるところなどはなかなか骨の折れるところ。
手作業で丁寧に作業します。
すでに木目の筋が目立つぐらいに木が枯れてきているのが目に付きます。
腐食が激しい箇所は新しいパーツを作って修復しました。
綺麗になったら、次は塗装です。
今回はオスモカラーのチーク色を選択して塗装を施しました。
塗装前、塗装後を比べてみますね。(左が塗装後、右が塗装前ー剥離後です)
剥離する時と同様に、塗装も細かいルーバーですので塗り残しがないように丁寧に進めていきます。
最終的な仕上がりはこちら。
全部で大テーブル2、小テーブル1、椅子10脚とかなりの量ではありましたが、落ち着いたチーク色で綺麗に仕上がりました!
これで、またしばらくお家で思い出とともにお使いいただけると思います。
これからの使用が少ない冬の時期にメンテナンスをしてしまえば、来夏のシーズンに気持ちよくお使いいただけますので、ちょっと時期ハズレなのかなと思ったのですが今回ご紹介させていただきました。
お使いにならない時期は、汚れを落として物置などで保管しておくと良いと思います。ビニールシートなどで覆って雨風に当たらないようにされると雨風がしのげますが、通気性が悪いとカビが繁殖する場合がありますのでご注意ください。
シュクレ浜松ならではの、様々な修理・修復・リメイクをこれからもご紹介していきますね。
みなさまのご参考になることがあれば幸いです。何かありましたらご質問くださいませ。
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