6月に入って徐々に蒸し暑さが増してきています。
シュクレ浜松のお店の周りには田んぼが多く、この時期は水が入って田植えが始まります。そうすると夕方になるとモヤ〜っと霧が出て真っ白くなったり、これまたお馴染みのカエルちゃんの合唱が聞こるようになります。木の家具にとっては、すこ〜し厳しい時期です。
お天気が良い日に箪笥の引き出しや扉を開けて風を通したり、ソファのカバーを洗ったりと、カビ対策していただくと、少しで長く良い状態で家具をお使いいただけると思います。

さて、今日は長くご家族とともに過ごした家具の修理についてご紹介させていただきます。

お店に持ち込まれる多くの椅子は、汚れた座面の張替えやへたってしまったクッションを交換する修理ですが、中にはグラつきはじめとしたパーツの様々な不具合の修理のご依頼があります。

今回ご依頼の椅子はこちら↓

細いパーツを組み合わせたデザインの板座の肘付きの椅子です。

まずすぐ目につくのは脚の部分ではないでしょうか。

なんと前脚が1本ポキっと取れてしまって、さらにその補強役のパーツもボキっと折れてしまっています。

長年使用しているうちに木の乾燥や経年劣化が起こり、接合部分が木痩せしたり、また負荷がかかることで少しずつグラつきが生じてくることがあります。その結果割れてボキっとなってしまうと危ない大変なことになります。

もともとが細めのパーツですが、見事にポキっとなってますね。

向かって右側での出入りが多かったのでしょうか。座面の片側の方が塗装のはがれが多いようです。

同じ椅子で使用される方の使い方によって、出てくる症状は異なってきます。

肘部分はずいぶん塗装が剥がれてしまって、ほぼ生木の状態に。

背部分もよく手をかけるところですので、よく塗装が剥がれてくる部分です。

さて、こちらの椅子を修理すると…

新品とまではいきませんが、味のあるアンティークの素敵な椅子に。

あのポキッ、ぼきっと折れてしまっていた部分をよく見てみましょう。

きれいに直っています。

そして、長年の使用で剥がれてしまった塗装は…

飴色の素敵なオイル塗装で雰囲気もよく仕上がりました。

椅子のデザインも構造も作りも様々ですので、その不具合も、そしてその直し方も、その時その時、椅子によって異なります。

状態やご予算で、修理する部分も一部分だけ、または全体的になど、ケースバイケースでお客様とご相談させていただいた上で修理させていただきます。

パーツが折れてしまったり割れてしまったりした場合、そのパーツをどうぞ大切に保存しておいてください。パーツがあると修理がよりしやくすくなります。

椅子は小さい家具ですが、様々なパーツに専門の職人、工程がありますので、修理には専門的な知識と経験がないと難しいものです。

ちょっとした不具合が全体の不具合へと繋がっていきますので、もしお気に入りの椅子の調子がおかしいな?と思ったら、どうぞ一度ご相談ください。