婚礼家具といえば桐箪笥という時代がありました。
元来「家具」がない日本に、西洋の文化が入ってきて衣類=着物を収納するために、軽くて持ち運びが楽な桐の箪笥が作られるようになりました。
その衣類が和装から洋装になり、収納もその後随分ライフスタイルによって変化してきました。
さて桐箪笥ですが、まだお家にあるという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
きっとご家族のどなたかがご結婚の際に持っていらしたというストーリーがおありかと思います。
そんな年月を経た桐箪笥の扱いについてご相談を受ける場合が時たまあります。
耳にされたことがあるかもしれませんが、桐箪笥の場合、表面全体を削り落としす「削り直し」という修理方法があります。長年使用してきて変色や染みなどがついた表面を削ることで綺麗にするものです。
まず削り直し前のものです。(光の加減が撮影時によって違いますのでご了承ください。)
こちらの全体を削り直すと
本来の桐そのものの色と風合いが戻りました!
横から見てみると↓
左の削り直し上部を見ますと、隣に置いたもの跡が分かる色が違いがある部分があります。
また全体に傷や染みが見られます。それを全体を削り直しますと右のように。
余談ですが、上の桐箪笥は上段、中段、下段と3つに分かれそれを金具で接続しますので、積み重ねたりばらしたりが簡単に出来ます。
削り直し以外の部分を見てみますと、木と木の合わせに隙間が出来ていたり、節が抜けて穴が空いていたりということがあります。そういう場所を埋める作業を施します。
(色は撮影時の光の加減で実物とは少々異なります。ご了承ください。)
節の抜けたところも穴を埋める補修を施します。
このように削り直しだけでなく、補修も兼ねた修理をしますと、また長い間使っていただくことが出来ます。
上記の写真の箪笥は問題なかったのですが、どうしても長年の使用で取っ手部分の故障がある場合もあります。
時間が経っているので全く同じものを見つけるのは難しいのですが、出来るだけ似たものを探して取りつけることも出来ます。
また以前旧ブログでもご紹介したことがありますが、本来の塗装のかかっていない桐たんすに色塗装をほどこしますと、それはそれでまた随分雰囲気が代わり、今お使いになっているお部屋の雰囲気にマッチしたりします。
こちらの箪笥は元々色塗装がついておりましたが、このように色塗装を施すと、お持ちの家具や部屋の雰囲気に合った新しいキャビネットとして生まれ変わると思います。(*金の光る金具は、新しく付けた真鍮の金具です。)
中央の着物を入れる盆の部分に、お好きな食器のコレクションを収納したり、大事なアクセサリーなどのコレクションを収納するような、違う使い方を発見されれば、置く場所もいろいろとお選びいただけるかと思います。
現在の大量生産の材料の質が落ちる家具と比べ、なんと言ってもALL木の無垢材で手作りですから、その質感を楽しまないのは勿体ない!と思ってしまいます。
なかなか専門知識がないと、「どうしたらいいんだろう?」という方でそのままになっている方が多いかと思います。
ご相談、お見積もりは無料ですので、いつでもお気軽にご連絡ください。