秋晴れの空と紅葉で散歩が楽しい季節ですね。
さて今回ご紹介するのは、西洋家具の修理・修復事例です。
当店の広告に「国産家具」という言葉があるので、「欧米で購入した家具の修理はやってないかと思ってました…」というお客様の声を時々お聞きする機会がありました。
近年、中国はじめ東南アジアなどで、修理をして長く使うということを前提としない安価な大量生産の家具が出回っているため、広告の方ではあえて「国産家具」という言葉を使わせていただいています。
「西洋家具」=欧米などで作られた家具ですが、内容にもよりますが修理・修復が可能です。
ご関心のある方も多いようですので、少しずつ皆さんに修理事例をご紹介していこうと思います。
まず今回ご紹介するこちらの長椅子。
素敵なフォルムの長椅子です。
お洒落な織地の布ですが、経年の汚れや擦れて薄くなってきてしまっているところもあります。
大きな問題は本体の木部、座面の裏側でした。
座を支える底面の木部が大きく損傷しています。
座面を支える板が途中で割れてしまっています。
全体に汚れが付着して塗装も薄くなってきているところが多いようです。
日本のような乾燥も湿気も両方あって、かつ季節によって差があるような場所では、塗装がしっかり施していないと木部の劣化や損傷につながります。
では修理・修復後の姿をご紹介しますね。
座面の張替をしました。今回はワインレッドの張り地です。印象が随分変わりますね。
ゴールドの鋲も新しくなりました。
そして座の裏面はこちら。
座の板の損傷はもちろん、座面を支える補強部もしっかり直しました。
裏面だけでなく本体全体を以前の風合いに合わせた色で塗装を施しました。
これでしばらく心地よくお使いいただけると思います。
ちょうどこの長椅子と同時に回転椅子(ドクターチェア)も修理しましたのでご紹介しますね。
Beforeの写真をしっかり撮っておらず、少々見辛い画像ですみません。
肘と背の木部が外れてしまって割れも起きているようです。
汚れ、塗装の剥がれ、傷などのダメージが見られます。
修理後の姿がこちら↓
座面部分は、同色の黒のレザーで張り替えし、鋲もゴールドで新しく、全体を整えました。
肘と背部分の接続部分の修理はもちろん、全体の木部や可動部などもしっかり調整し、以前の色合いに合わせ塗装を施しました。
よくあるご相談は、海外駐在時にお使いになっていたり、その赴任先でご購入になった家具を帰国時に持ち帰った西洋家具の修理です。
普段使いのダイニングテーブルなどの場合もあれば、収納キャビネットなども様々です。思い出、記念として残しておきたいと思われる方が多いようです。
最近は「西洋風」や「西洋アンティーク調」などの品もあります。どのような内容な家具なのか、修理が可能なのか、お客様のご希望などもあると思いますので、まずはお問い合わせをいただいて内容をお聞きした上で、実際のお見積もりは現物を拝見してからとさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。