今年は桜の開花も例年より早くて驚きましたが、同様に静岡ならではの新茶も今年は早く、そしてあっという間に梅雨入りとなりました。
以前にも書いたことがありますが、この梅雨の時期は湿気で木製の家具にとってはなかなか厳しい時期です。
空気の流れがないところに湿気がこもって知らぬ間に家具の背面や内側にカビが付いていた・・・なんてことになってしまいます。
可能ならば家具を壁からちょっと離して置いたり、お部屋の除湿、換気をしても湿気がこもらないようにご注意ください。
さて、日々様々な修理をはじめとしたお問い合わせをいただいております。
今日はその中から、長年使われていた食器棚をお引越しを機に2つの収納キャビネットにリメイクした事例をご紹介します。
もともとお持ちの革のソファの修理の件でお伺いしたのですが、引越しで処分しようかどうしようか思案中というこの食器棚のことをお聞きし、見るととても状態が良く材料も造りもとても良い家具で、これを処分するのは大変勿体ないですし、現在同じ質の物を購入しようとしてもかなり高額になること、また長年の共に過ごされた家具ですので、上部と下部を分けて2つの収納家具としてお使いになることが可能ですよ、とお話しさせていただきました。
最終的に革のソファの修理、座卓をダイニングテーブルとしてリメイクをさせていただくことになりましたが、今回は食器棚を2台の収納キャビネットについてご紹介します。
ご相談に伺った時の食器棚の様子がこちら。
30年以上お使いとのことでしたが、大変綺麗で状態も良く、また材料の質も良いもので収納力もたっぷりの食器棚です。
幅はW1350で、高さが2メートル近くあります。
この食器棚は引き出しと板扉がある棚収納とガラス扉のある棚収納の上下の2つの部分で構成されています。
画像で見ると青い線のところで上下に分かれています。
背が高いと転倒の心配もありますし、高い棚に置いたものは脚立に乗らないと手が届かないということで、年齢が高齢になっていくと出し入れが不便になってきます。
まず先に2つに分けて完成したものをお見せしますね。
左のガラス収納 W1350 D390 H1300
右の収納 W1350 D450 H800
完成したところを見ると、なんだかパッと2つに分けただけに見えるかもしれません。
そこで、どの部分に手を入れてこの2つのキャビネットに分けたのか、少しご説明しますね。
まずはガラス扉のキャビネットの方から。
台輪:床に置くために台輪を新らしく加えて製作しました。
画像内に説明を記載しましたが、下台の奥行きに合わせて付いていた棚板部分が、下の画像にあるように上台のガラス扉面より出っ張って閉まっていたので、出っ張った部分をガラス扉面に合わせて直しました。
またガラス扉の上台収納の一番上の天板ですが、高い部分で見えない箇所のため、下地の材料がむき出しのままになっていました(一般的な造りです)。
ガラス扉収納として独立して設置した場合、高さがH1300で目につくところですし、物を置いたりしてお使いになりますので、その天板部分に木目のシート材を貼りました。
それがこちら↓
実際に新しいお住まいでは、リビングに設置されました。
そして、もう1つの下台のキャビネットを見ていきましょう。
下台だったこちらの収納は、台輪は付いていましたが、天板がなかったため、天板を新らしく作って加えました。
こちらのキャビネットはダイニングでダイニングテーブルの横に設置してお使いになるとのことです。
高さも天板を加えてH800ですので、圧迫感もなく使いやすい高さと思います。
今回は、長年使用されていたにもかかわらず、内側も外側も大変綺麗で、塗装の剥がれやめくり、傷などもなかったたため、塗装の直しも必要ない状態でした。
また、無垢材を彫り込んだ取っ手ということもあり、よくある取っ手の不具合もありませんでした。
引き出しも長年の使用や本体の歪みなどで開け閉めに問題が生じたりすることも多いのですが、引き出しも問題なくそのままで。
最近の収納家具ですと、材料がMDFやパーティクルボードや紙のシート材などを使っているものでが多く、修理を施すのも難しく、お値段もお買い上げ時以上に掛かってしまう場合もあります。
一般の方ですと、なかなか修理やリメイクが可能なのか判断がつかないこともありますので、ご希望がありましたらどうぞお問い合わせ頂ければと思います。
お問い合わせ時には、サイズとおおよその使用年数、購入時の価格、そして材料を分かる範囲でお伝えください。
どの家具も1つずつデザインや状態が異なりますので、正式なお見積もりは現物を見てからとさせていただいております。
まず修理やリメイクが可能かどうか知りたい!という場合は、上記の家具の情報と家具の全体と修理したい箇所の画像数点、リメイクをご希望の場合はどのようにリメイクしたいかをご記入の上、メールで送っていただければと思います。
お問い合わせには順次対応しておりますが、時間を要する場合もございます。