今年のGWは浜松祭りもようやくいつものように開催されるということで、これから少しずつ街のあちこちにお祭りの雰囲気が溢れていくことでしょう。

ここ数年凧揚げ会場に向かうバスを窓越しに見るのが当店のGWの通常でしたので、ここ数年の寂しい風景が今年は賑やかになりそうです。

今回ご紹介するのは、桐箪笥のリメイク事例です。

これまで桐箪笥の修理・修復についてはご紹介したことがありますが、リメイク事例をこちらでご紹介するのは初めてです。

桐箪笥をお持ちの方、お持ちで今後どうしようかな?と思っていらっしゃる方に、是非ともご紹介したい今回のリメイク事例ですので、ご関心のある方どうぞご覧ください。

まずこちらがビフォーの姿です。

桐箪笥の中央に観音開きの扉がある和箪笥です。

経年による汚れ、割れ、取手金具の欠損など全体に修理・修復が必要な状態です。

横から見ると分りますが、①上台・②中台・③下台の3つに分かれています。

真ん中の②の部分が観音開きの扉がついていて、「盆」と呼ばれる着物を入れる引き出しが4杯付いたデザインです。
長年扉の開け閉めをしているうちに金具が磨耗して画像のように扉が取れてしまっていました。

 

今回の桐箪笥リメイクは、お母様が年齢に合わせてお住まいをリフォームすることになり、桐箪笥をリメイクしてリフォーム後の生活で使えるようにならないかというお子様からのご相談から始まりました。

桐箪笥の高さが1M80cm程あるので、転倒が心配だったり、高齢になると高い所の収納の出し入れが難しいといったことで、なんとかならないだろうか?というご相談がよくあります。
今回はそういう点も考慮して、必要なテレビ台とチェストという形でリメイクすることになりました。

まずテレビ台についてご紹介しますね。

テレビ台にリメイクしたのは、箪笥の上台部分のこちらです。

引扉とその下に小引き出しが3杯ついています。

リメイクした姿がこちら。

引扉の内側を見てみます。

ビフォーでは、中央に帆立があり、左側のみ固定棚がついています。

左側はそのまま固定棚で、右側には可動棚を設置しました。

テレビなど重いものを置けるようにタモ材(無垢27mm厚)の天板を取り付け、床面に接する部分には本体を支える台輪を取り付けました。

タモ材の木目が綺麗な天板です。

テレビを置いてみました。

サイズはW1150 D400 H550

今回はテレビに付属する機材を棚に収納する必要がありあせんのでしたので、引扉部分はそのまま板扉で。
シンプルながら収納力もしっかりあるテレビ台として生まれ変わりました。

 

そして、もう1点リメイクでお作りしたチェストがこちら。

 

以前は観音開きの扉に着物用の盆が4杯あった中台部分について。

盆は浅くそのままでは使いづらいため、盆の前方は下台と同じデザインになるように桐の前板を取り付け、両側と奥も木を継ぎ足して深さがある引き出しへと作り変えました。

矢印の上の色が変わっているところが新しく付け足した部分です。

新しく作った引出しの前板の桐は作り立てなので下台の前板より若干色が薄いですが、月日が経つうちに同じような色合いになっていくと思います。

テレビ台同様にこちらもタモ材の天板を取り付けました。
台輪は前のままです。

サイズはW1150 D400 H1150です。
天板の上に物を置いていただいても使いやすい高さになりましたし、収納物の出し入れもこの高さならご高齢になられても楽に。転倒の心配も減りました。

塗装はクリアで仕上げ、金具は和風な黒のシンプルなもので整えました。

例えば他の家具の色と合わせてウォールナットのような濃い茶系の色で塗装にすることも可能です。
また洋風な取手を付けるということで雰囲気も変わると思います。

このようにリメイクすることで、捨てることなく使い続けることができます。
よく桐箪笥を処分してしまおうか悩まれているというご相談を受けますが、一部分でも思い出として残すことができますし、お母さまのものをお子さんなどに引き継ぐということもしやすいと思います。
修理・修復にリメイク代がかかりますが、総無垢で家具が手に入れられるなんて、今の時代では難しいこともありますので、是非ともご検討いただけたらと願っております。

もしお持ちの桐箪笥を今後どうしようかしら?と思っていらしたら、どうぞ一度「処分してしまう前に」ご相談ください。

流れとしましては、まずお問い合わせをいただき、ご都合の良い時に現物を見せていただいて状態を確認いたします。
その時にお客様がどのようにリメイクしたいか具体的な案がありましたらお伝えいただければ、リメイクが可能か検討させていただきます。その後お見積もりということになります。

お問い合わせにつきましては、当店ホームページのお問い合わせフォームより、もしくは営業時間内にお電話(☎️053-441-2179)にてお問い合わせいただけますようお願いいたします。